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Butterflies Are Free : 10/21  NEVER CHANGE

舞台鑑賞好きの私の日常。

10/21  NEVER CHANGE

2009年11月04日(水) コメント:2 トラックバック:0

高山広さんソロライブ、おキモチ∞HAMJOH(だいはんじょー)Vol.30鑑賞。

ご本人手書きのあいさつ文、9割コピー。

<政権も交替し、なんだか新しい風がふいてくるとかなんとかわれてます。
米国でもCHANGE!がしきりにさけばれてましたっけ。全世界的に
変わんなくちゃならないみたいですね
                 な今日この頃。
なんだかなあ…と、へそ曲がりな、私なんぞ
は、うつ向いて遠吠え。そんなわけで?
今夜はNEVER CHANGEな夜を
ご用意させて頂きました。お口にあいますか
どーか。ごゆっくりお楽しみください。 
                      高山広>

本日のお品書き丸写し。

1.はなしかた教室

2.長距離トラック運転手な夜

3.忘れ者っ

4.フードファイター1(大喰王帰宅編)

5.   〃     2(王座陥落の夜編)

6.観るBGM~贅沢日和~
        ゼータクビヨリ

7.サイゴノデマエ

8.NEVER CHANGE


以下、思いつくままの感想など。

1.
電話口に出た男性。
やや低音のよく通る声、まことに耳に心地よく、まさに美声と呼ぶにふさわしい。
発声はお腹から出ている正統派、発音もいたって明瞭。
己の言葉に確固たる自信を持ち、話しぶりも堂々として揺るぎがない。
声を使うプロたる者かくあるべし、という見本のような人物、であるのだが……

高山さんの舞台人らしい技が冴えた作品。
言語不明瞭な人がなさっても面白くもなんともないでしょう。
「テル・アライはなしかた教室」という、高山さんの洒落のセンスがとても好きだ。


2.
そこは、たぶんスナック。
マスターと二十代後半と思しき女性店員二人で切り盛りしている、こぢんまりとした店。
マスター外出中とあって、常連客である長距離トラック運転手の男は
盛んに女性店員に話しかける。
時折「つきあってみない?」と誘いをかけるが、その度に「妻子持ちだから」と断られる。
過酷な労働の話もするが、決して弱音は吐かず、タフな男であろうとする。
しかし……

どうでもいい世間話をする男が、なんとはなしにおかしい。
でも、異常なほどの饒舌は、ストレス発散のための手段なのかもしれないと思うと、
なんだか哀しくもある。
爆笑はしないけれど、時間がたって反芻すると味わい深い作品。


3.
お昼時。
(たぶん)ファミレスの席についた作業着を着た男。
忘れっぽい性質(たち)らしく、取引先の相手と注文した製品についてケイタイで確認作業中。
やがて、テーブルには注文の料理が運ばれてくるが……

こういう事あるある、こういう人いるいる、と思わせる作品。
むろん笑いの舞台なので多少の誇張はある。
しかし、そこがしつこくなく、嫌味なく、品があって、高山さんらしくていいなあと思う。


4.5.
ご当人にはそれなりの使命感、誇りがあるのだろうが、
テレビでこの手の番組を見るたびに、何のためにそこまでして食べなければならないのだろう、
と単純に思ってしまう。
まして、テレビの裏側、大喰王の普段の生活など想像したこともなかった。
あるいは、高山さんの描いたことも当たらずと言えども遠からず、であるのかもしれない。


6.
この作品については、過去の記事を御覧下さい。
「燃えています!」

(3~6はリレーのように繋がった作品に仕上げられている。
おそらく、毎回この順番で演じられるのだと思う。)


7.
中華料理屋の店員の男。
出前の品を毎日のように届けるうちに、一人一人の好みも熟知するほどに、
お客様とすっかり懇意になる。
しかし、訳あって今日限りでこの仕事を止めると決意。
最後の出前、だから特別に、
「自分が野菜を切らせてもらいました」
「浅漬けも作ってみました」
みたいな、泣けることを言う。
男の明かす訳が訳だけに、引き止めることもできず、
複雑な思いで料理を口にするお客様たち。
皆に背を向け、必至で涙を堪える男。
部屋には、ずるずるとラーメンをすする音だけが、やけに大きく響く……

こんなこと現実にあったらビックリだが、ご当人たちは辛いだろうなあ。
でも、舞台を見ているお客は、無責任に笑ってしまう。
当事者には悲劇でも、他人には喜劇なんだなあ。
そう考えると、人間て残酷。


8.
今の今までご主人の歯を磨いていたのに、「だいぶ毛が開いてきたな」と判断され、
洗面所から別の部署に異動を命じられたサンスターさん。
同じ水回りではあるが、スターである彼には屈辱的な職場だ。
打ちひしがれるサンスターさんの前に、かつての職場仲間、ハナエ・モリさんが現われる。
意外な再会に驚くサンスターさん。
そして、華やかなモリさんの過去を知るだけに、変わり果てた姿に愕然とする。
さらに、自分はこんな境遇はとうてい受け入れられないと思う。
しかし、モリさんはこんな環境にあろうとも、己の本分を誠実に果たしていた。
決して仕事も、自分自身をも投げ出さず、懸命に生きているモリさん。
その言葉を聞くうちに、自暴自棄になりかけたサンスターさんも生きる希望を見出し……

どん底に落とされた後(落ちた後ではない)、どう生きるかでその人の価値は決まるのかもしれない。
笑える要素はあるけれど、感動もする。
自分の身に起きた出来事と照らし合わせて、いろいろ考えさせられてしまった。
高山さんの作品には希望があっていいなあと思う。

なれない仕事に悪戦苦闘し、何度も滑ったり転んだりするサンスターさんを、
高山さんは大きな音をたて、派手に身体を床に打ちつけて演じていた。
しかし、身体が床に触れる瞬間、衝撃をうまく吸収するような体勢をとられていた。
プロレスラーの華麗な動きを思わせる、美しい身のこなし。
普段から鍛えられているからこそできる技なのだろう。



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#135
カテゴリ:未分類

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コメント(2件)

櫻井8号:Re: 10/21  NEVER CHANGE

お品書き、面白すぎ!いやあ、これ見ただけで、この高山さんて方のライブ、全部見てみたい気がすんねんなあ。しょうちょんさん、サイコーでっせ!(なぜ、大阪弁?)櫻井的には、1.2.3.8特にはまりそうやで!4,5も、なるほど、いい視点ついてまっせ!日頃、サンスターさんをすぐに左遷してしまう櫻井ですが、一寸の虫にも5分の魂でしょうね。また、ハナエ・モリさんがいいねんなあ。いい味だしてます!いやあ、ほんま、生でみたいわ!

  • 2009年11月06日(金)14:49:23
  • URL
しょうちょん:そういえば、東北弁で会話する牛、なんて作品もありました。

高山さんライブ、毎月やってます。
ご都合つくようでしたら、ぜひ、と言いたいところですが、
難しいですよね。

高山さん、人を演じるのも上手いのですが、動物や物になりきったり、
概念をテーマにされたり(←具体例思い出せませんが)
視点がとても面白いです。

涙腺刺激される作品も多いです。
でも、クサクはない。
高山さん作品に感動できるうちは、自分もまだすれていなかったんだなあ、
とちょっと安心できます。

高山さんは仙台御出身らしいので、東北弁でなにかコメント残せたらいいのですが、
隠れ名古屋の身としては、なにも思い浮かばず、標準語で失礼しました。

  • 2009年11月06日(金)18:04:07
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