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Butterflies Are Free : 5/15~ 「… わては君が代はんが 好きになりました」

舞台鑑賞好きの私の日常。

5/15~ 「… わては君が代はんが 好きになりました」

2010年05月28日(金) コメント:0 トラックバック:0

月の半ばから日本の喜劇映画鑑賞中。

神保町シアター

とうてい全ては見られないが、都合がつく日は出向いている。
5/16は、
浅草の某会場(演芸の会)→神保町シアター→落語カフェ(ここんていきくしんさん独演会)
という移動。
時間の関係で飲まず食わず。
さすがに、これでは身体を壊す、と反省。
以後は余裕を持って行動。

今のところ六本鑑賞。
昔の喜劇役者さんが見られるというだけで嬉しくて通っているが、
全作品傑作というわけではない。
玉石混交というのが正直な感想。

六作品の中で一番見たかったのが「喜劇役者たち 九八とゲイブル」。
公開当時、酷評されていた記憶はあるけれど、井上ひさしさん原作だし、もとタモリさんファンとしては
どうしても外せないと思ったのだ。
だから、作品の質についてはまったく期待はしていなかった。
実際、32年たって拝見してみると…
時代がついて作品に深みが増した…などということは一切なかった。
ワインなら年月と共に熟成しておいしくなるのだろうが、
映画は何年たとうが駄作は駄作、ただ、単純に古びるだけだ。

欠点を挙げればきりがないが、とにかく主役のお二人はミスキャストだったと思う。
両者の笑いのセンスが違いすぎて、ちぐはぐな印象ばかり残る。
タモリさんをどうしても起用したかったのなら、相手役は別の人にお願いすべきだっただろう。
個人的趣味で言わせていただければ、小松政夫さんが適役だと思う。
小松さんならタモリさんのネタをしっかりと受けとめてくださだるはずだ。
そしてタモリさんと一緒になってネタを作り上げ、その面白さを何倍にも広げてくださるはずだ。
なぜなら、小松さんはタモリさんの才能と実力を十分にわかっておいでだから。
そして、お二方はお互いに、愛情、友情、敬意、といったものを抱いておいでだから。
(オットセイと調教師のネタも、相手が小松さんだからこそ面白いのだ、と再確認した。)

もうひとつ気になるのは、ご両人が舞台芸人さんらしく見えない、ということ。
舞台上の演技、動きが美しくない。
ちゃんとした舞台芸人さんは、舞台に立っているだけで絵になるのだ。
たたずまいが既に美しいのだ。
残念ながら(少なくともこの映画で見る限り)お二人からは、そういう舞台芸人さん特有の美しさは伺えない。
お二人がチャップリンの扮装をするシーンがあるのだが、まったくそれらしく見えないのでとてももどかしい。
チャップリンに扮していただくなら、パントマイムの素養がある舞台芸人さんにお願いすべきだったのではないか。
しかし、この映画のストーリーからして、お二人がチャップリンに扮する必然性はなかったと思うのだ。
だから、これは無駄な演出だという気がしてならない。
喜劇役者=チャップリン、という発想なら、ずいぶん安直な貧しい考えだと思う。

結局私が大笑いしたのは、外国のラジオ放送、四カ国親善マージャン等、タモリさん独自のネタのシーンだけだ。
特に秀逸だったのが「君が代」の替え歌(正確には「君が代」と「月の法善寺横町」の替え歌?)。
よくこんなアブナイネタができたものだ。
当時は映画なら許されたのか。
歌詞の内容が特に不謹慎というわけではないが、「君が代」をいじること自体、普通は怖くてできないだろう。
今のテレビタレントさんに、こういうネタをする度胸はないだろう。
というより、初めからそんなネタを思いつきもしないだろう。
今でもライブでなら、この手のネタをなさる芸人さんはいらっしゃるけれど。

映画自体の内容はともかく、お二人が出演する舞台がフランス座なので、その点は興味深かった。
フランス座といえば、井上ひさしさんがコント作家として活躍された場所であり、
現在の登用間(あえて誤表示)である。
今、時々私が足を運ぶ会場だ。
(「小屋」なんて言い方は、一お客の私が使うのはおこがましい、通気取りでイヤラシイ。)
32年前はこんな様子だったのか、と感慨に浸る。
公開間もなく上映打ち切りになった作品とはいえ、そういう意味では、ある一定の歴史的価値はあるのかもしれない。

<余談>
タモリさんの役はマルセ太郎さんにお願いした方が、舞台芸人さんらしいよさが出たのではあるまいか。
相手役は誰が適任かはわからないが。
そして、マルセさんが出演されたからといって、この映画が成功するとも思えないのだが。
(32年たって、こんなことを言うのは、余計なお世話というものである。>自分)

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