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Butterflies Are Free : 台北旅行覚書(3)

舞台鑑賞好きの私の日常。

台北旅行覚書(3)

2011年05月24日(火) コメント:0 トラックバック:0

・3/11

朝食の後はYさんと忠孝復興駅近くのカラオケ屋さんへ。
平日の昼間とあって、部屋は楽に取れる。
入れるのは同然のごとく専らsodagreen。
時々Jay。
たまにタオさん。

カラオケ屋に行く主な目的は映像鑑賞。
画面に見入り、時々一緒に口ずさむ。
そしてまれに、
「私、この曲歌います」
と、宣言してからマイクを持って歌う。
それが、ごく普通の日本人中華ポップスファンの行動。
(少なくとも私の知る限り。)
というのも、中華カラオケでは、映像、音声ともに歌手本人のMVが使用され、
歌手の歌声は、オン、オフ、選択可能だからである。
私はカラオケ屋とは全てそういうものだと思っていた。
が、二年ほど前だっただろうか、初めて日本のカラオケ屋体験をしたところ、
しょぼい映像と演奏しか流れてこず
「なんてつまらないのだろう」
と思ったものだ。
だが、たぶんそれは間違った感想なのだろう。

典型的中華ポップスファンのYさんと私は、MVを見ながら感想を語り合う。
「ああ、このMV初めて見た! いいなあ、台湾の人は。(=こんな映像が普通に見られて羨ましい。)」
「やっぱり大画面で見るといいですね。
(イニシャル)YTの映像だと画面小さいから」
「交響夢のこのMVは彼女が作ったはずですよ。
(注:彼女とは、前日、PADAさんのCD買う際に挨拶した方のこと。)
自然の風景が繊細に表現されていますよね。
若い女性は春をイメージしているのでしょうね。
そして、お終いに出てくる少女は、季節が一巡した後の、新たな春のイメージですね」

交響夢MV

「青峰さんの歌詞は文学的、複雑、難解、そして美しい。
タオさんの歌詞は単純、ストレート、すごくわかりやすい。
怒りの表現も、そのまんま。
思いきり怒りたい気分の時には、大声で歌うと気持ちいいですね。
家で王八蛋かける時は、ボリュームあげて、窓締め切って歌います。
(この曲にはBASTARDという英語タイトルもついている。
しかし、罵倒語としての強さは、王八蛋>BASTARDなのである。)」

陶喆 David Tao –王八蛋 Bastard (官方完整版MV)

「SULA 與 LAMPA 的寓言も歌いごこちがいいけれど、これも人前では歌えないので、
窓締め切って歌います。
LAMPAって、男性のある部分の意味なんですよね。
私、日本語なら絶対に口にしないですから。
生まれてこのかた、同じ意味の日本語は口にしたことないです」
「SULAも卑語だから、全体としては○○無しヤロウみたいな意味ですね」
(そんな歌、女子が人前で大声で歌えるわけありません。)

陶喆 David Tao - Sula與Lampa的寓言 Sula & Lampa (官方完整版MV)

「アメリカのロックだと歌詞に四文字言葉入れるのもあまり抵抗ないのでしょう。
タオさんには、そういう感覚ありますね」

(なお、タオさんの曲にも、美しいもの、真面目なものもたくさんありますので、どうぞ誤解なきよう。)

「Jayの七里香大好きなのですが、香港のカラオケ屋さんにはなぜか入っていないのです」
「日本の(中華)カラオケ屋さんには入ってますよ」

七里香MV

このMVは一見してわかるとおり、日本で撮られている。
私はこの映像を見ると
「Jay、日本を好きでいていくれてありがとう」
という気分になる。

カラオケ屋さんで、主にこれら三組の曲、映像をたっぷり堪能すると、
つくづく、
「ああ、自分がアジア人でよかったなあ。彼らと感性が通じ合えて」
と思うのだ。
私は洋楽も好きだが、彼らの音楽を聞いていると、自分は紛れもなくアジア人だと感じるのだ。


カラオケ屋さんを出た後は、そごうで買い物、そしてフードコートで遅い昼食。

ホテルに帰り、テレビをつける。
菅総理が記者の前でなにやら話している映像。
画面切り替わり、アナウンサーの音声と共に、
「日本、大地震」
という大きな文字が映る。
ニュースの途中から見たので、事情がよくつかめず。
「これは、本当に地震が起きたことを言っているのか、
それとも、民主党の危機的状況を地震に例えて言っているのか、どちらだろう?」
と、思っていたらYさんから内線電話がかかる。
「しょうちょんさん、テレビ見てますか? 日本で大地震が起きたそうです。
NHKで詳しく報道してます」
と言われ、あわててチャンネルNHKに変える。

主に東京近辺の状況。
ほとんどの鉄道が止まり、一部の地下鉄などが運行再開しているらしいことを知る。
震源地は東北らしいが、まだ現地の詳しい情報などは入ってきていない。

自分が海外にいる時に、日本でこんな大地震が起きるなんて…
ただ呆然と驚くばかり。
不安な気持ちのまま、しばらくテレビを見続ける。

午後7時頃、Yさんから電話。
夕食に出かける約束をしていたのだ。
が、食欲はなく、とうてい、レストランでお食事、などという気分にもなれず。
「テレビを見ていたいので、近所のお店でテイクアウトして部屋で食べたいのですが」
とお願いする。

Yさんの部屋でテレビを見ながら軽食を取る。
主にNHK、時々地元台湾のテレビ。

私の母、兄、姉は、みな私より西に住んでいる。
だから、家族の心配をする必要はない。
気になるのは友人のことだ。
たぶん、みな帰宅はできず、職場などに泊まっているのだろう。
まさか、東北に旅行に行っている人はいないだろうか?
しかし、安否を知りたくとも、電話もつながらない状態なので、
離れた場所で心配するだけなのだ。
情けない。

そもそも自分も無事に帰ることができるのか?
帰りの便は羽田着だから、大丈夫だとは思うが。
(成田だったら滑走路使えなかったので、予定変更を余儀なくされたはずだ。)
エバー航空に電話をかけても、話中でつながらない。
問い合わせは翌日にするしかないだろう。

しばらくYさんの部屋でテレビを見た後、自分の部屋に帰る。
入浴後もNHKを見続ける。

上空からの東北沿岸の映像。
なにもかもが海水に浸っている。
恐ろしい。
あの下には道路や建物があり、人がいるはずなのだ。
なんだか信じられない。
非現実的な光景に見えた。
まるで悪い夢を見ているようだ。
本当に、朝起きたら夢だった、ということになればいいのに。

現実を受け止められないまま、しかたなしに眠りにつく。

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