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Butterflies Are Free : 直接関係ないけれど Don't Cry for Me Argentina を急に聞きたくなってきた

舞台鑑賞好きの私の日常。

直接関係ないけれど Don't Cry for Me Argentina を急に聞きたくなってきた

2017年12月03日(日) コメント:0 トラックバック:0

映画「笑う故郷」鑑賞。

↓オフィシャルサイト及びレビュー二例。

笑う故郷 オフィシャルサイト

映画『笑う故郷』は非日常と不条理の世界。笑いと恐怖は紙一重!

『笑う故郷』が描き出す、南米映画の強烈な〝人間観察〟の視点

鑑賞後、他のみなさんのコメントを拝読。
複数の方が、
「タイトルは原題(El ciudadano ilustre =名誉市民)のほうがよい」
と感想を述べられているが、同感である。
「名誉市民」の方が作品の全体的な内容を正確に伝えていると思う。
特に、観客が結末を見届ける上では、このタイトルであるからこそ納得がいくのであって、
「笑う故郷」では、作品を見る際の焦点がいささかぼやけてしまい、残念である。

日本でのタイトルはさておき、作品自体は大変すばらしい、大人の鑑賞に堪えうる映画である。
とにかく脚本がよくできている。
構成が巧みで、ストーリー展開が鮮やかだ。
そして、主役の俳優さん(Oscar Martínez)が抜群に上手い。
(「人生スイッチ」にも出ていた人だと後で知った。
↓過去記事。
Relatos salvajes
この作品でも、邦題と原題を比較していたのか。
我ながら可愛げのないお客である。)

構成が巧みだと感じる点はいくつもあるが、一つだけ例を挙げるなら、冒頭のシーンと終盤のシーンの対比である。
どちらも授賞式のシーンだ。
ただし、冒頭では、主人公ダニエルは受賞者、選ばれる側だ。
一方、終盤では、ダニエルは審査委員、選ぶ側だ。
彼は、なかなかにクセのある人物で、聞く者に強い印象を残す言葉を、さほど躊躇することなく発する傾向がある。
冒頭のシーンでは、彼の言葉は衝撃を与えるが、最終的には受け入れられる。
終盤のシーンでは、彼の言葉は混乱を招き、受け入れられずに終わる。
冒頭のシーンは華々しく、終盤のシーンは悲惨である。
この明暗の対比が見事だ。

ダニエルはどちらのシーンでも、正直に自分の気持ちを伝えているが、
受け取る側の反応は正反対と言っていいだろう。
彼にとってはどちらも本音なのだろうが、聞く側の解釈が異なるのだ。
「この世に絶対的な真実なんてない。解釈があるだけだ」
(正確な言い回しは忘れたが)ダニエルは、そう明言する。

ダニエルという人物像にしても、遠目には、傑作を世に送り出している大作家だが、
至近距離で見れば、自分の故郷を作品の題材にしながらどこか見下している傲慢な無礼者、
と言えなくもない。
また、救いを求めてきた相手を「自分の信条に反する」からと、正論でもって追い返したかと思えば、
ワンクッションあった上で助けの手を差し伸べたり、
才能ある若い芽は育てようとする懐の広さも見せる。

ダニエルの評価は、見る人、見る角度によって変わるということだ。
彼の故郷も、またしかり。
どちらも一筋縄ではいかないのだ。

観客は、ダニエルにも、彼の故郷にも、どちらにも肩入れできず、不安定な気持ちのまま
成り行きを見守ることになる。
そして、最後のシーンで、そういうことか、と唸らされる。
こんなによくできた映画なのに、上映期間短くて、もったいない限りだ。

オマケの感想。
冒頭とお終いのシーンでの、ダニエルのにくたらしいほどの笑顔が
目に焼き付いて離れそうもないのだが、
これも対(つい)になっていて、上手いなあ、と感心する。
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